ティム(ティモシー)・フリーク Tim Freke

欧米で開催されるノン・デュアリティ/非二元性の会議などに頻繁に登場して講演を行っていることからも、ティムはノン・デュアリティのスピリチュアル・ティーチャーとして広く知られてきました。ティムは自身を"ユニ・デュアル"(*ユニとはひとつという全体性の意味)としてとらえています。これはワンネスそのものである個がワンネスとの関係性を持つ個として人生を生きるという、ティムが提唱している”ユニヴィジュアル"の視点からです。

"ユニヴィジュアル"とは、ユニティ/すべてはひとつという全体性と、インディヴィジュアル/個を掛けあわせたティムによる造語です。つまり、個という意識から、全体性であるワンネスへと意識が広がり、深く目覚めて生きている個のことです。このワンネスへと開かれた個は、個の新しい可能性と視野の拡大にもつながっていきます。これはまた、現実に対する新しい視点や生き方や、進化したスピリチュアリティの提案であり、人類や全体性の進化にも深く関与していくのです。ティムはこの"ユニヴィジュアル"を彼の深い体験と洞察から生み出し、2019年には自らが創始者となってICU(*International Comunity of Unividualsの略)の活動を開始しました。この活動を皮切りに、ティムの活動は新たな段階へとさらに広がりをみせています。

2019年3月はアメリカのカリフォルニア州バークレーで開催されたTEDxバークリーのスピーカーとして選ばれ、1700名の観客に新しい見方を切り開くスピリチュアリティのアイディアを分かち合いました。2020年はキンドレッドスピリット誌が選出する年間の最優秀の著者を受賞しました。また、ワトキンス出版社が選出する"世界に最も精神的な影響を及ぼす存命の100名"に、2020年から二年連続で選出されています。

ティムのスピリチュアリティの原点は、12歳での突然の覚醒です。幼少時から人々や自分自身がなぜこの世界にいるのか、人生とは一体何なのか、存在の神秘とは何なのかということを周囲の大人が誰も知らないことを不思議に思いながらも、これらの大きな疑問に心を奪われ熟考を重ねてきました。この大きな疑問への最初の答えがやってきたのは、故郷の丘で一人座っている時に、突然、目覚めの体験が起こった時でした。「この体験は、自身も含めたすべてがひとつに溶け合い、大いなる愛で脈動し、包まれているという体験で、小さなティムは圧倒され、とめどない涙が溢れ出てきました。」とティムはインタビューで語っています。

この体験の後、ティムは真摯に様々な世界の伝統的な精神世界や宗教を深く探究し、それぞれの本質が共通であるということを体験からも見出し、常に真理を見極めようとしてきました。そして、さらに神秘体験も起こりました。また、幼少期から抱いていた大きな疑問への熟考も重ねて哲学者としての探究も深めていき、キリスト教のグノーシス研究家としては、イギリスとアメリカでベストセラー著者ともなりました。しかしながら、ティムは哲学を概念を模索する学問としてではなく、神秘体験からインスピレーションを得たことを熟考して生み出した、人生の意義を深く理解するための叡智であり、人生をさらに神秘と喜びに溢れたものにするための新たな見方を授ける”目覚めの哲学”としてとらえています。

また、科学とは物質と生命の領域に向けられた視点であり、スピリチュアリティとはサイキ/精神領域に向けられた視点であり、その両者は相反するものではなく、包括的に現実をとらえるために相補関係にあるとして、最先端の科学的視点も取り入れた霊性の探究もティムは積極的に行っています。科学が躍進的な進化を遂げている中で、霊性が取り残されるのではなく、霊性も進化することが重要だとティムはとらえているからです。なぜなら、すべてのものが進化のプロセスにある中で、スピリチュアリティも生きているものであるとしたら、進化を遂げ続けるものであるはずだとティムは観ているからです。

人生の意義、不滅の魂、永遠の次元のスピリットや、存在の根源であるビーイングを含んだ、あらゆることが進化のプロセスを経て、新たな可能性となって現れ出てくるというのが、ティムが提唱するエマージェント・スピリチュアリティというフィロソフィー/ものの見方です。過去の積み重ねの上に進化した精神世界の最先端が、今まさに出現してくるのです。新たな発展性へと進化したスピリチュアリティとも言えるでしょう。また、スピリチュアリティとは、深い瞑想的な境地に浸っているだけでなく、宇宙そのものであるわたしたちがそれぞれのユニークな個性を世で表現して、個が生き生きとして輝くことでもあるとティムはとらえています。ティムはこのことを身をもって体現しているとも言えるでしょう。

ティムの活動はユニークで様々なスタイルをとります。ある時は、旅をしながら人々の意識を変えていくスピリチュアル・エンタテイナーだった古代の哲学者にならい、自身をスタンドアップ・フィロソファーと呼び、BBCやヒストリー・チャンネルなどのドキュメンタリー番組にも度々出演しています。

また、2019年から"人生とは何か"の対話のシリーズをYoutubeでの無料配信もはじめました。ティムもランクインしている"世界に最も精神的な影響を及ぼす存命の100名"にも選出されているケン・ウィルバー氏やルパート・シェルドレイク氏、またニューヨーク・タイムズでベストセラーとして評価されているCare of the Soulの著者トーマス・ムーア氏という錚々たる顔ぶれから、シャーマンまで、幅広い視野やテーマで人生の意義につい深く掘り下げられた対話が繰り広げられています。この交流にスピリチュアリティの最先端を垣間見ることができるでしょう。

世界中で開催されている彼のリトリートやワークショップにおいては、ティムは"覚醒のガイド"として、新しいものの見方へと開かれるアイディアや深い叡智、そして、パワフルでユニークなワークやプラクティスや誘導瞑想によって、わたしたちを存在の根源のビーイングへと、そして、”大きな愛”と”ワンネスの目覚めや体験”と"ユニヴィジュアル"へと導いています。中でもティムが20年来培ってきたゲージングや瞑想は、魂と魂が大きな愛でつながる体験へと、そして、深く観ることへと多くの人たちを導いてきました。

悟りとは視点のシフトとも言われますが、ティムのハートと知性が結びついたものの見方/フィロソフィーに接すると、愛と許しと理解が土台となった視点のシフトも容易に起こり、リバウンドのない過去の変容も起こり得ます。また、利己性や過去からの傾向であるパスティヴィディ(*注)から自由になって、どのように熟考するのか、どのように思考を創造的にさせるのかという方向性をティムは指し示します。静寂も大切であるものの、どのように物事をとらえて明晰に考えるのかということは、目覚めて生きる人生には欠かすことができないものだからです。(注:パスティヴィティとは、過去/pastと引力/gravityを重ね合わせたティムによる造語。)

また、ティムの提案する重要な視点の一つは、"パラロジカル・シンキング”です。つまり、AかBかという二者択一の従来の論理を超え、相反する2者を両方とも受け容れるという、すべてを包み込むワンネスの視野ともいえます。このパラロジカル・シンキングは、道教の陰陽の思想にも通じるものがあり、これまでの分離や分裂から、統合へと向かうためには必要とされる視点ともいえるでしょう。また、この視点が、わたしたちは個でもあり、それと同時にワンネスでもあるという、ティムが提唱しているユニヴィジュアルの土台ともなっています。

ティムの著書は2019年時点で35冊となり、15以上の言語に翻訳されています。著書の内容は、禅、道教、シャーマニズム、スーフィー、アドヴァイタ・ヴェーダンタなど著書は多岐にわたりますが、特に、彼をキリスト教のグノーシス研究者として著名にさせたピーター・ギャンディとの共著『THE JESUS MYSTERIES』は、アマゾンのトップ6のベストセラーとなり、デイリー・テレグラフ紙(*イギリスの一般サイズの新聞では発行部数1位)のブック・オブ・ザ・イヤーにも選出され、イギリスのみならずアメリカでもベストセラーとなりました。

ティムの最新の著書は2017年4月に上梓された『SOUL STORY』です。この著書では、ユニヴィジュアルについては言及されていませんが、その土台ともなるアイディアに溢れています。なお、"ユニヴィジュアル"については、現在、オンラインやリトリートでも、すでにアイディアや瞑想方法なども分かち合っていますが、著書としては2021年夏の完成を目指して現在、取り組んでいます。

これまで日本語に翻訳されたティムの著書は『気づきの扉』(サンマーク出版)、『神秘体験』(ナチュラル・スピリット社)などがあります。(*日本語版の著者名はティモシー・フリークとなっていますが、近年の英語版の著者名や世界各国での活動のすべてを現在は、ティム・フリークで統一しています。)

ティムのリトリートやワークショップや講演会は世界中で開催されていますが、日本の皆さんに向けては、清里でリトリートを春に開催しています。(清里リトリートは、パンデミックが終了したら再開します。)また、ティムはオンラインでも活発な活動を行っています。日本語への通訳入りのオンラインは、現在、月に一度、第二木曜(日本時間19:30~)に開催しています。

作り物ではない自分自身であることを大切にしているティムは、ステージ上であっても至って自然体で、誠意と熱意をもってハートからの言葉をわたしたちに語りかけます。彼の開かれたハートは大きな愛で溢れています。彼は人がとても好きなので、講演中は自然と観客の皆さんに近寄っていくようで、気づいたらステージの縁に立っていて落ちそうなことさえもあると笑って語っていました。イギリスBBC放送の動画では、確かにステージの縁に立っていて、今にも飛び立ちそうなティムの姿が映像に見てとれます。

ティムは世界中の人々のハートと知性に語り掛ける、ワンネスに目覚めた哲学者としても、世界中で高く評価されていますが、イギリス、グラストンベリーに在住のティムの日常は、毎朝3時半に起床して瞑想と哲学にいそしみ、フィロソフィカル・ウォーキングと呼ぶ毎朝の散歩を楽しみます。グラストンベリーの素晴らしい環境の中で歩きながらアイディアを熟考し、さらに研ぎ澄ませているとのことです。そして、散歩から帰ると、愛するパートナーのデビィーとの朝食を準備するそうです。

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 私は、過去40年間にわたり世界各地のスピリチュアルな教えを学び、それらに関する本を書いてきました。目覚めへのさまざまなアプローチは私自身に深い影響を与え、目まぐるしく展開する人生において道を開いてくれた偉大な先人たちには心から感謝をしています。

 道教が語るシンプルな自然観、禅の焼けるような直接性、スーフィーにおける眩いばかりの献身、アドヴァイタ・ヴェーダンタ(不二一元論)の哲学的深さ、キリスト教における愛の広がり、カバラにおける秘儀的叡智、シャーマニズムにおける魔術的な大地とのつながり。これらすべての、そしてこれら以外のさまざまな教えと、それぞれの形で触れ合ってきました。私は世界各地のさまざまな教えに触れて叡智を引き出したいと考えているため、特定の教えに帰依することをしていません。

 近年私は、新たな”目覚めの哲学”をまとめる試みを続けています。他のすべてと同じくスピリチュアリティもまた生きたものであろうとするのならば、進化を遂げ続けなければいけないはずです。ですので、これまでに学んださまざまな教えの深みを宿しながら、目覚めの過程において私自身が経験したデッドエンドを回避する、新たな”スピリチュアリティに対するアプローチ”を生み出してはどうかと閃いたのです。

 こうした経緯もあり、「わぉ!」へ辿り着くための新たな方法を編み出すにあたっていくつかのキーワードを準備しました。どのような経験をするかは考え方に条件づけられますから、どういった概念を使用するかが鍵になります。「わぉ!」は言葉を超えた経験ですが、私たちが目覚めの冒険にどのように触れるかは言葉選びに大きく影響されるのです。

(ティム・フリーク『神秘体験』から一部抜粋)

 

Big Love From UK/TIM FREKE/ティム・フリーク

イギリスから大きな愛をお送りして